消化器病

便通異常 (便秘症・下痢症・過敏性腸症候群など)

 便秘の原因の多くは、大腸の動きがわるいことによって便がスムーズに排泄されず時間がかかってしまうことによります。しかし、進行した大腸がんが大腸を閉塞することによって便秘が起こっている可能性があり、がんの可能性だけは早期に除外する必要がありますので大腸内視鏡検査を早期に受けることをおすすめします。
 腸の動きが悪いことによる便秘の場合は、歩くことや排便習慣をつけることはもちろんですが、刺激性ではない下剤で排便調節することが重要です。市販の下剤には刺激性のものが多く、長期間の使用で効果が減弱していく傾向がありますので、医師と相談し刺激性ではない下剤を処方してもらうことをおすすめします。
 下痢は、腸管の水分吸収障害・過剰な運動・炎症などにより起こります。続く場合には大腸内視鏡検査で炎症などの評価が必要になります。また、過敏性腸症候群とは大腸内視鏡検査で原因と思われる炎症がないにもかかわらず、腹痛や便通異常が持続する状態です。整腸剤、消化管機能調節薬剤などを用いて病態にあわせて治療します。


胃食道逆流症(GERD)・逆流性食道炎

 胸焼け・呑酸などの症状を主体とし、胃酸が食道やのどに上がってきてしまうことにより起こります。
 内視鏡検査で重症度判定を行い、胃酸を抑えるお薬を継続して内服することが主体となります。最近の内服薬の進歩によりほとんどの患者さんで症状改善が期待できます。


機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)

腹痛で受診する人の50%近くがこの疾患と言われています。「胃がもたれる」「胃がムカムカする」「おなかが張る」「すぐに満腹になる」などが主な症状で、診断には胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必要になります。睡眠習慣や適度な運動などの生活習慣の改善はもちろんですが、症状に合わせて薬物療法を行っていきます。

潰瘍性大腸炎

 原因不明の難治性疾患として知られていますが、しっかりと疾患をコントロールすることで通常の人と同じ生活ができます。大腸粘膜の炎症を主体とし、慢性かつ再発性の経過をたどります。
 薬物療法の基本は5-アミノサリチル酸(5-ASA)と呼ばれる薬剤の内服・坐薬・注腸で、悪化した際にはステロイド・生物製剤・免疫抑制剤などを用いて対応します。主治医と二人三脚で長期間にわたって大腸粘膜の炎症をコントロールすることが何よりも大切です。院長(篠﨑聡)は潰瘍性大腸炎難病指定医です。