ピロリ菌除菌

ヘリコバクターピロリ菌とは

 強い酸を有する胃の中で生存している細菌で1982年にオートラリアの学者、ウォレンとマーシャルにより発見されました(のちにノーベル賞受賞)。
 今日では胃癌、胃潰瘍などの原因であることが分かっており、1週間薬剤を内服して「除菌」を行うことによりこれらのリスクを低下させることが分かっています。
 ヘリコバクター学会では除菌を強く推奨しており、当院ではピロリ菌感染症認定医(篠崎聡)主導のもと除菌治療を行っております。

胃癌
ピロリ菌と密接に関係していると言われており、ピロリ菌を除菌することにより10年後の胃癌を約半分にすると予測されています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
再発が非常に多い疾患です。ピロリ菌除菌により胃潰瘍再発は六分の一程度に、十二指腸潰瘍再発は十分の一程度になります。
胃過形成性ポリープ
胃過形成性ポリープは年率1%の確率で癌化するといわれています。ピロリ菌除菌により70%のポリープが消失または縮小します。
鉄欠乏性貧血
女性に多い疾患で、胃カメラなどで消化管出血を否定する必要があります。まだデータは十分ではありませんが除菌により改善する場合があります。
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
機能性胃腸症とは痛みや膨満などの上腹部症状があるにもかかわらず、胃カメラや超音波などで検査しても潰瘍や胆石などの原因となる異常が見つからない疾患です。 一部の患者さんではピロリ菌除菌で症状が改善することが示されています。 2013年に発売された新しい薬剤で治療をすることも可能です。

ピロリ菌除菌治療

 胃カメラを行い、ピロリ菌感染が疑われる所見があり、血液検査などでピロリ菌が陽性と判定されたら、保険適応で除菌となります。

除菌療法で用いられる薬は以下の通りです。
1.胃酸分泌を抑制するお薬1種類
2.ピロリ菌を殺す抗菌剤2種類
以上のお薬を1週間内服していただきます。

除菌成功率は以下の通りです。新薬剤の発売で除菌率が向上しています。
1回目(一次除菌) 約80-90%
2回目(二次除菌) 約80-90%
*一次除菌に失敗した患者さんのみが二次除菌の適応となります。

三次除菌(保険適応外のため自費診療)も可能ですのでご相談ください。


ピロリ菌除菌に関してのQ&A

除菌したあとに除菌できているかどうかの判定テストはいつごろ行うのですか?
1週間のピロリ菌除菌治療終了から少なくとも8週間は空けて行います。早すぎると間違って陽性に出てしまう場合があります。除菌後の判定だけを目的に内視鏡を受ける必要はありません。
除菌治療の副作用はありますか?
軟便、下痢、味覚異常、発疹などが出る場合があります。大部分は軽い症状で済みますが、まれに出血性腸炎などで入院治療を要する場合もあります。 いずれの副作用が出た場合も自分の判断で服用を中断したりせずに必ず受診してください。
ペニシリンアレルギーがありますが除菌できますか?
当院では 除菌治療できます。しかし、ペニシリンを外した除菌方法に対し保険適応がないため自費診療となります。